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今日の千秋楽に期待!・・客席総立ちの歓声、涙、涙。

やっと千秋楽。
今、PM6時。
ボクの出番は7時過ぎだ。
太夫、三味線の人は多かれ少なかれ、中日(なかび)が過ぎると、次の公演の稽古にとりかかります。
私の場合は『封印切』で、3時から1時間半程、清介さんと稽古しました。
舞台前やというのに、しんどいでっせ。
しかし逆に、喉が開くことにも繋がり、吉と出ることも多いんですワ。
声というものはワカランもんでんなあ。
さて、今夜の千秋楽、初日のような感動シーンが再現されるのか?。
・・・終演しました。
ウォーッ!客席総立ちの歓声。
感涙のカーテンコール。
幕を開けさす方も開ける方も、やりまんなあ。

《嬉しい汗》について

最近、夜は布団にバタンキューです。
それでこのところ、日記は翌日の早朝(雨の日曜日ですねえ)に書いてます。
喜左衛門兄に舞台を降りてきてから『雄ちゃん(ボクの名前)、今日はエライ楽しんでたなあ』と言われました。
実際、千秋楽近くになり、型も決まってくると嬉しい汗が出てきます。
このまま公演がズーッと続いてほしいと思ったりもします。
しかし、あと一日、千秋楽を残すのみです。
こんど語る時は又、一からやり直しです。
今、舞台と平行して6月公演の『封印切』の稽古をしています。
これが大変でんねんやワ。
南座の『弁慶』もあるし・・。

《寒い汗》について

毎日大声を上げてお客さんの前で語るのは、かなりのプレッシャーですね。
冷静さと夢中を織り交ぜながら、声量に配慮しなければいけません。
タマには舌を噛む時もあるし、床本を間違っていちどに2、3枚めくって慌てたりもします。
太夫が語りを中止すれば、芝居は終わり。
ですから、芝居継続のキーポイントを、任せられてイルンだの自覚が、非常につらい。
目一杯の汗を流し、気持や声量を冷静に抑制しながら、浄瑠璃の枠に踏み留まらなければならない。
聴いているのはお客さんだけではない。
舞台の人形遣いさん、楽屋にいる師匠先輩方の耳にも入っているのだ。
汗が寒い。

今夜の『生玉』は今公演一番のノリでした。

今日の『生玉の段』はホンマ、枕から段切りまでスムーズに語れました。
喜左衛門兄の三味線も、語る私の心の奥襞にまで入って来て下さり、誠に恐れ入りました。
浄瑠璃の流れを把握しながら、三味のバチを刻みこみつつ、太夫をリードしていく。
なんでもない所の、テンテン、ツンツンとか、チンというバチの間(マ)が、私(太夫)の息の状態を鋭く感知しながら弾いて下さる、一期一会の有り難い間(マ)なんですワ。
客席から伝わる心の熱線、本舞台から放たれる人形の情感。
それらを、太夫座の床盆にいて、冷静に感得できた神々しい瞬間が、ありました。

国立劇場へ皇后陛下がお見えになりました。

『曽根崎心中』からの御観劇で、休憩時に着物姿で入場された時、皆、客席から立ち上がって拍手でお迎えしてました。
次の役のボクは舞台姿で、クルッと廻る床の盆裏の上の隙間から(お客様の顔がよく見える)覗いてました。
近くで拝見して、やはり、緊張しました。
ところで、今日の昼の部、ある兄が、舞台を終えてからエラク怒ってられました。
床の真下の女性が鼾をかいて寝ていたらしいのです。
『他のお客様にも迷惑がかかるよ、アレは』。
私の19日の日記《居眠り考》を読まれた方(丁度その当日の19日にいらしたのです)から、客の立場からも不快だった旨のメールが届いてます。