今夜の『生玉』は今公演一番のノリでした。

今日の『生玉の段』はホンマ、枕から段切りまでスムーズに語れました。
喜左衛門兄の三味線も、語る私の心の奥襞にまで入って来て下さり、誠に恐れ入りました。
浄瑠璃の流れを把握しながら、三味のバチを刻みこみつつ、太夫をリードしていく。
なんでもない所の、テンテン、ツンツンとか、チンというバチの間(マ)が、私(太夫)の息の状態を鋭く感知しながら弾いて下さる、一期一会の有り難い間(マ)なんですワ。
客席から伝わる心の熱線、本舞台から放たれる人形の情感。
それらを、太夫座の床盆にいて、冷静に感得できた神々しい瞬間が、ありました。