カテゴリー別アーカイブ: “若”旅日記

今日は移動日で自宅で休養

夜、いつも通っているキリスト教会の「祈り会」に行った。
行くときはしんどいが、帰り道は本当に清々しい気持ちになる。
多忙と喧騒を極める現世にあって、このような永遠のにおいのする教会の静寂と礼拝は、大変贅沢なヒーリングの瞬間である。
先日の『落語と文楽のあやしい関係』の夜の部のトークの時に、桂吉朝さんから、NHKのドキュメント番組「人間国宝」の折の厳しい稽古風景の話題にふれつつ、「英大夫はクリスチャンなんですって?クリスチャンで良かったでんな」と打ち合わせてないツッコミが入った。
前に彼と食事した時、「クリスチャンって自殺できないんでっか?」との彼の質問に「そうでんねんやわ」と僕が答えたと云う。
僕はそのツッコミに対して『いやあ、何を云われても、それは僕に必要なことであり、すべて神様が僕におっしゃってくださる言葉だと思うから、どんな叱責にも感謝の念が働き、とても自殺しようとなどは思いませんよ』

こんどの巡業のお客様はどこも皆スバラシイ。

文楽もまだ、日本全国捨てたものではない。
じっと、解って観て、聴いている。
固唾を飲んで・・。
今日の戸畑のお客様もそうだった。
ありがたい。
有り難い。
拍手の場所なども心得ている。
太夫、三味線、人形の三位一体の充実には、お客様との一致が必要十分条件だ。
三味線の錦糸君が、終演後、会場から戸畑駅へ向うタクシーの中で『泣いている人がいた』とポツリ云ってくれた。
その人の心の琴線に《三位一体》が触れたのだろうか。
そのお客様の今ある状況が、又は、過去の拭いされない記憶が、ドラマに触れ、とめどない落涙となったのか。
感情の花火・・

今までの巡業人生で一番の大役

「すし屋の段」の奥を語る時、必ず1、2回、無呼吸状態に陥り、もうダメだと思う瞬間がある。
それが判るから、一日で一番辛いのが、舞台へ上がる瞬間。
出来たらそのまま、白足袋はいたマンマ楽屋口から逃走したいのだ。
嶋大夫兄が切場の前半の部分を終えて、汗ビッショリかいて舞台から降りてこられると、いよいよボクの出番だ。
「お疲れさまでした。
お願いいたします」と上手のドンチョウ際を互いに擦り抜けつつ発するボクのコトバ。
睦君が嶋兄の見台を、始君がボクの見台を、交換するために持って立っている。
「お疲れさま・・お願いしま・・」いざ!

朝、新幹線のレールスターに初めて乗り、広島へ。

駅からタクシーで15分の『広島キリスト教会』の日曜礼拝に出席。
植竹先生の名説教に聴き入り、礼拝後、紹介され、新作CDのペテロの件り《イエス様、あっしはなんて情けネェ人間なんだ~アッーァァ》を即興で演じると、持っていったCD10枚がアット言う間に売れた。
それから、文楽大好きの先生夫妻と合原さんという方と共に公演会場へ。

今日は終演後、福山市から、高橋さんとそのお友達の大川さんが楽屋を訪ねて下さった。
『十色会、光華、ゴスペル、皆行きました。
旅日記も楽しんでます』にギャフン!思わずカバンを開け「これが濡れたじゅばんです」

姫路公演が終わり、夕方、姫路ワシントンホテルへ

汗でボトボトのじゅばんをハンガーに干し、風呂に入りながら下着類を洗濯。
6時過ぎにホテルの上で姫路の昔からのお客様と食事。
いつもは、《魚町》で馳走に会うが、今回は、大役を鑑み、食後のお誘いも丁重に断る。
我慢する自由もあるのだ!今、9時前、ホテルの部屋でひとり。
今日は、わざわざ大阪から見えていた、黒衣さんの「待ってました」が嬉しおました!姫路は結構、浄瑠璃好きの人がいて会場が盛り上がってました。
しかし、ボクの、舞台でかく汗は今回尋常ではおまへん。
じゅばんから、紋付き、肩衣(かたぎぬ)までびっしょりでっせ。
早よ寝よ