カテゴリー別アーカイブ: “若”旅日記

『団七』少し慣れてきました。

夜8時過ぎの舞台ですから昼間はひたすらボーッとするようにしてます。
それでも9月東京公演の『百度石の段』のお稽古の段取りがあります。
30分位のもので、初役ですから一から覚えなければなりません。
今日は早めに劇場に行って『百度石』のビデオを見て登場人物の頭(かしら)やら位置関係を把握しようと思います。
昨日楽屋の廊下を歩いていたら、4、5人のグループの人達に擦れ違いざまに『日記毎日見てますよ』と声をかけられました。
嬉しいでんなあ。
日記が、あっちゃこっちゃ、ひとり歩きするようになってきたみたいで私も心して書かんとあきまへん。
『泥場』は義平次の伊達大夫兄との掛け合いですので『危のうござります』とか『怪我で…』『声が高うござり…』とかを邪魔にならないように効果的に言わねばなりません。
そのへんのやりとりに神経を使いますが、少しずつ慣れてきました。

今朝届いた池澤友香さん(1級建築士)からのメール。なんか感じイイから本人の許可を得て掲載します

『ところで、今頃南座の話ですが、私、感動しました。
なんというか・・・英さんが旅日記のほうで書かれてましたが、なにかこう、必死な感じが伝わってきまして。
年齢層が若干若く、次代を担う方々総出演!といった感じでしたが、いやもう、もう大丈夫、この方がいいかも、と思いました。
英さんは、最初からいい感じだな、という印象で、周りに座っていた方々も、(英さんの関係の方でしょう?)すっごいいいですね!今回の公演は、これが一番の見どころよ!なんて声があがってまして、私も同感でした。
また、若手の大夫さんも、力を付けてきてらっしゃいますね。
お人形は、清之助さんはもちろんよかったんですが、簑太郎さんもいつものように、いい感じ。
で、玉女さんです。
私的にはそんなに注目していた方ではなかったんですが、弁慶、えらい良かったです。
もう、必死の形相、という感じ。
英・玉女の弁慶、ばんざいー!といった感じでした。
キャスティングの若さもよかったんだと思うんですが、ほんとう、かなり好評だったんじゃないですか?夏には熟年組の勧進帳も見ることができるので、これはまた、楽しみです。

ミッチーと勘寿兄さんに感謝!

昨日、楽屋で(ボク一人で)出番前に本読みをしていたら、勘寿兄さんが暖簾をくぐり顔を見せて『お前ここんとこハラ強なったなあ』と言ってくれました。
彼は磯之丞の役で舞台に出る直前の形(なり)でノコノコ入ってきたんです。
こんなこと滅多にないシチュエーションやから嬉しかったです。
今夜はミッチー(web master)が応援に駆けつけてくれました。
神学校に通っている畏友で、漫才を書かせて、演(や)らせたら右に出るものはいません。
今、神学の勉強のかたわら漫才台本を書き溜めています。
『たこ梅』でおでんを食べながら、ギリシャ語の勉強が楽しいとも、ほざいてはりました。

『古典とロック』公演の切符がSOLD OUT

今回私が出演している『長町裏の段』は三部(6時30分開演)の最後の場面で8時10分に始まり、終るのが8時45分頃です。
真っ直ぐ帰宅して10時です。
舞台が終ったら大体ボーッとしてますから、日記を書くのは次の日の朝になります。
毎日書くの大変でしょうとよく言われますが、大変は大変ですが、けっして書くのが嫌いではないんでしょうなあ。
いままで50年あまり書けなかった日記をこういうかたちで書かせてもらえ(まだ5ヶ月位ですが)、皆様に感謝してます。
ところで9月24日の『古典とロック』公演(国立小劇場)の切符が昼夜共売り切れたそうです。
主催者というのは(ゴスペル文楽の時もそうでした)、0枚からのスタートで始めから勢いよく売れるわけではないので実にヤキモキします。
ですから最初の不安な時に1枚でも買って下さった人のことはよく覚えているもんです。
エエかいな売れるんかいな、と思っているうち、加速度がついてウワーッときます。
とにかく、2ヶ月前に売り切れるなんて、こんな嬉しいことおまへんやん。
5月21日の日記に『ロック曽根崎』について書いてます。
お読みくださいませ。

夏公演初日。『あ~ちめた(冷た)。兄、ワリャ、オレを斬りゃがったナア』

ポテンシャルというのは平板なもので、それを立体的に蹴りを入れて構築するには、音声のもつ深層の触感を揺るがす特色、鍛錬された脱音階の節の唸り、幾重にも重層し共鳴する太棹の剛柔音色、男三人が旧石器時代から繰り返し温めてきた視覚を幻惑魅了する農耕狩猟の秘伝のムービング…日記を書こうとしてアイモードを握りしめながら眠っていたら、訳のわからんイメージが夢うつつに尿意と共に湧いてきて、目がさめました。
今、22日の明け方。
昨日、初日が開きました。
義平次が団七ともみ合った際、耳にかすかに団七の刃を受け、血がたらり流れます。
暫らくして、したたる血に気づいた時の義平次(伊達大夫兄)のセリフ『あ~ちめた』の間(マ)と響きが、ホンマによろしおます。
お客さんの反応も上々。
芝居っつうのは、悲劇や喜劇を超えて、いろんな味わいがおまんなあ。