夏公演初日。『あ~ちめた(冷た)。兄、ワリャ、オレを斬りゃがったナア』

ポテンシャルというのは平板なもので、それを立体的に蹴りを入れて構築するには、音声のもつ深層の触感を揺るがす特色、鍛錬された脱音階の節の唸り、幾重にも重層し共鳴する太棹の剛柔音色、男三人が旧石器時代から繰り返し温めてきた視覚を幻惑魅了する農耕狩猟の秘伝のムービング…日記を書こうとしてアイモードを握りしめながら眠っていたら、訳のわからんイメージが夢うつつに尿意と共に湧いてきて、目がさめました。
今、22日の明け方。
昨日、初日が開きました。
義平次が団七ともみ合った際、耳にかすかに団七の刃を受け、血がたらり流れます。
暫らくして、したたる血に気づいた時の義平次(伊達大夫兄)のセリフ『あ~ちめた』の間(マ)と響きが、ホンマによろしおます。
お客さんの反応も上々。
芝居っつうのは、悲劇や喜劇を超えて、いろんな味わいがおまんなあ。