hanafusadayu のすべての投稿

『お七』(Red-Hot Love)を皆、喜んでまんなあ。文楽劇場、よう入ってまっせ。

このところ大阪公演の昼の部、よう入ってます。
今日、名古屋から私のお客様が7人お見えになりましたが、初日開いてスグ切符を頼んだのに、16列の端の方しかとれませんでした。
東京の国立小劇場よりキャパが広い大阪文楽劇場。
文化人口の絶対値が東京の半分位の大阪。
本公演の日数が二週間の東京に対してこちらは三週間(!)。
それでいてこれだけの賑わいは、劇場並びに文楽ファン、関係者一同の営業努力の賜物でしょう。
ホンマ、有難うございます。
しかし、こういう時こそ各方面にわたって地道な努力と調査をせねばなりません。
舞台人も着実只管(ひたすら)に芸にうちこまんとあきまへん。
バブルであれば弾けます。
『お七』を語っていて、ふと、近くのお客様を見ると、足で拍子をとり頭を振って、お七になって梯子をのぼっているひとが必ず、2、3人いてはります。
こんな嬉しいことはありません。

大槻文蔵さんのところへ『松風』を習いにいきました。

7、8年前に『道成寺』(恋女房染分手綱の能舞台の段)を習いにいきましたが、今回は『松風』(全曲ではなく、中の3箇所)。
『道成寺』の時は伊達兄以下3人での稽古でしたが、『松風』は私ひとりですから、ものすごく、緊張しました。
場所は大槻能楽堂にある稽古部屋。
今日は、聞かせていただいただけです。
ボクら素人の稽古でも、若いお弟子さんは外の廊下で袴で正座して聴いてはりました。
鼓とかと合わせるのが難しいと思ってましたが、謡の中には『拍子合わず』といって、囃子方を意識せず謡う部分があり、ほっとしました。
『平ノリ』(8拍子=もしもし亀よ亀さんよ♪)と『大ノリ』(1字1拍子=君がー代ーは♪)との部分もあり、丁寧に扇子で拍子をとり謡って聴かせてくださいました。
あと2回いきます。
それから、東京のYYさん、京都のYYさん、お便りありがとうございました。
源四郎さんも一昨日は幸運でしたね。

太功記十段目の『夕顔棚の段』(素浄瑠璃)は難しい。

27日の研修発表会で、研修生の木の原君の三味線で語りますが、改めてこの段の重さを痛感してます。
ババの皐月のコトバといい、旅僧の久吉、母操、嫁初菊、チョット顔を出す光秀、孫十次郎の初々しいピッとしたコトバ、それに枕の百姓二人のやりとり…。
たいへんでっせ。
そうや、みんな登場しまんねんなあ。
本舞台なら6×3人=18人+ツメ人形3人の21人もの人形遣いさんの入れ替わり立ち代りです。
今回は素浄瑠璃。
そやから、余計にえらいんです。
普通、人形の方にいくお客様の視線が皆、こっちへきます。
目線のもっていきかた、姿勢、顔の表情、しんどさ。
全て見通されます。
ましてや、師匠、先輩方のほぼ全員が舞台稽古か本番にはいらっしゃいます。
きんちょうしまっせ。
しかし、木の原君、真面目によう頑張ってます。
私もホンマええ勉強させてもろてます。

スミマセン、実はボク松田聖子のファンなのです。

最近の曲はあまり好きな物はありません。
『白いパラソル』とかの頃が好きでした。
ヘンな男とつきあったり、結婚したりしても、どっかで応援してます。
お前アホか、あんなしょうむない男を好きになりよって、なんていいながらも許してしまいます。
一生懸命、素直に生きているような気がするんですなあ。
ブリッコでもなんでもエエやんか。
なんか、丸出しという感じ。
あれがたまりまへん。
ファンというのはそんなもんやおまへんやろか。
ええ時だけ寄ってきて、悪かったら陰でボロクソにいう。
ボクはそんなジプシーファンとちゃいまっせ。
正真正銘の松田聖子のファンなんです。

休館日につき文楽は休み。清友さんと越路師匠宅へ行く。

京都の丸太町の師匠の家に着いたのが11時過ぎ。
ちょうど、NHKテレビで『歌会始の儀』を放映中。
毎年これをご夫婦で御覧になるとのことで、私と清友さんも威儀を正して1時間ほどテレビ画面に見入った。
これを見てると不穏な世の中が、ひと時のあいだであるが、平和でほのぼのと感じられるとのこと。
なるほど、歌を詠みあげる古式ゆかしい発声と節回しを味わううち、無限次元の空間に引き込まれるような感じがした。
そのあと、二月公演『忠太夫内の段の口』のお稽古の御挨拶。
2月3日に決まる。
又、今回は謡の『松風』の一部が作品に盛り込まれていますから、その当該部分を能の大槻文蔵師に習いに行く予定であります。
謡もかなり難しいでっせ。
なんでもないようやけど、鼓や太鼓と合うとこまでいきまへんで。