カテゴリー別アーカイブ: “若”旅日記

こんどの巡業のお客様はどこも皆スバラシイ。

文楽もまだ、日本全国捨てたものではない。
じっと、解って観て、聴いている。
固唾を飲んで・・。
今日の戸畑のお客様もそうだった。
ありがたい。
有り難い。
拍手の場所なども心得ている。
太夫、三味線、人形の三位一体の充実には、お客様との一致が必要十分条件だ。
三味線の錦糸君が、終演後、会場から戸畑駅へ向うタクシーの中で『泣いている人がいた』とポツリ云ってくれた。
その人の心の琴線に《三位一体》が触れたのだろうか。
そのお客様の今ある状況が、又は、過去の拭いされない記憶が、ドラマに触れ、とめどない落涙となったのか。
感情の花火・・

今までの巡業人生で一番の大役

「すし屋の段」の奥を語る時、必ず1、2回、無呼吸状態に陥り、もうダメだと思う瞬間がある。
それが判るから、一日で一番辛いのが、舞台へ上がる瞬間。
出来たらそのまま、白足袋はいたマンマ楽屋口から逃走したいのだ。
嶋大夫兄が切場の前半の部分を終えて、汗ビッショリかいて舞台から降りてこられると、いよいよボクの出番だ。
「お疲れさまでした。
お願いいたします」と上手のドンチョウ際を互いに擦り抜けつつ発するボクのコトバ。
睦君が嶋兄の見台を、始君がボクの見台を、交換するために持って立っている。
「お疲れさま・・お願いしま・・」いざ!

朝、新幹線のレールスターに初めて乗り、広島へ。

駅からタクシーで15分の『広島キリスト教会』の日曜礼拝に出席。
植竹先生の名説教に聴き入り、礼拝後、紹介され、新作CDのペテロの件り《イエス様、あっしはなんて情けネェ人間なんだ~アッーァァ》を即興で演じると、持っていったCD10枚がアット言う間に売れた。
それから、文楽大好きの先生夫妻と合原さんという方と共に公演会場へ。

今日は終演後、福山市から、高橋さんとそのお友達の大川さんが楽屋を訪ねて下さった。
『十色会、光華、ゴスペル、皆行きました。
旅日記も楽しんでます』にギャフン!思わずカバンを開け「これが濡れたじゅばんです」

姫路公演が終わり、夕方、姫路ワシントンホテルへ

汗でボトボトのじゅばんをハンガーに干し、風呂に入りながら下着類を洗濯。
6時過ぎにホテルの上で姫路の昔からのお客様と食事。
いつもは、《魚町》で馳走に会うが、今回は、大役を鑑み、食後のお誘いも丁重に断る。
我慢する自由もあるのだ!今、9時前、ホテルの部屋でひとり。
今日は、わざわざ大阪から見えていた、黒衣さんの「待ってました」が嬉しおました!姫路は結構、浄瑠璃好きの人がいて会場が盛り上がってました。
しかし、ボクの、舞台でかく汗は今回尋常ではおまへん。
じゅばんから、紋付き、肩衣(かたぎぬ)までびっしょりでっせ。
早よ寝よ

祖父(若大夫)の代からのお客様・・

昼の部終演後、そのお客様と食事(神戸大丸の西村家)そして、同じ階での『鴨居玲展』を覗き、ひょんなことから、「アルバトロス」というジャズの店へ行く。
(終演後のロビーでJAZZさんと握手を交わした縁かな?)滝えり子さんのMY FOOLISH HEARTという唄が印象に残った。
私の今日の舞台は〈チャランポラン〉という自覚だったが、滅多に「良かった」と言うことのないそのお客様が誉めてくれて単純に嬉しかった。
「錦糸さんの三味線も良かったネエ~」とも言ってられました。
10時半に帰宅。
明日は姫路。
8時に起きて、本読み〔勉強〕して11時に出発!これから入浴して●2月27日~3月15日地方公演