カテゴリー別アーカイブ: “若”旅日記

テープ学習だけではあきまへんなあ。

十九大夫兄による『弁慶』のお稽古初日。
実際、兄の前に座り、口写しの『叩きの稽古』(三味線なしの大夫同士の稽古)ともなるとテープで聞かせていただいてるイメージと全然ちゃいまんなあ。
足腰立たん位、十九兄の三段目語り(時代物の豪快な部分で出色の語りを見せる大夫のこと)としての迫力を浴びせられました。
それも、中音(ちゅうおん=ホンマのイキを出さない語り)でっせ! ハラ(腹)にかかった立詞(たてことば=アグレッシブにたたみ掛けるようにして語るコトバ)のサラッとした強弱のテンポ。
弁慶が義経のお供の武士達を諌める時に発する大音声『アアア~、しばし~』のくだり、腹をポンプみたいに小刻みに使い、小音から大音へと、クレッシェンドにかけてゆく手法は、圧巻でした。

揺れるフィーリング。

『勧進帳』の弁慶を、舞台で出す位の大声で5時間程自習していたら、問答の所で声が少し嗄れてきた。
夕方、知人のお客様から電話がかかり、ノコノコ神戸の三宮へ。
寿司をご馳走になり、それから『アルバトロス』で、滝えり子さんのライブを聞く。
唄と唄との間、間奏の間の揺れているようなフィーリングが実に愉しかった。
今夜は、長男と次男も梅田の『ブルーノート』のライブに出かけました。
今、PM11過ぎ。
早めに帰宅して、明日からの稽古に備えています。
やはり、頭の中は『弁慶』で一杯ですわ。
一回声を痛めて、回復してこんことには、あきまへん。

ようやく『勧進帳』の本読みを再開

やっと、『弁慶』の勉強に取り掛かれました。
しかし、ボクの勉強の仕方は能率が悪いんです。
六時間程テープ聞きながら声を張り上げましたが、始めの合奏部分の細かい点検やら、勧進帳を読み上げる際の勿体ぶった節の確認やらで、肝心の富樫との問答まで手が廻りませんでした。
明日は、問答を中心に取り組みます。
聞いているテープは《文字(今の住)・吉兵衛》《十九・清治》《呂・清治》の各師匠・先輩によるものです。
三本同時にスタンバイさせながら聞きます。
基本の型が決まり口慣れてきたら、もう少し以前の伝説的名人テープを聴くのであります。

指導者の方が幼稚園並み

いつも行く銭湯(そこでボーっとしているのがボクの趣味)で、湯上りに炭酸飲料を口に含みながらスポーツ新聞を開けたら、表題の言葉があった。
前日の負け振りを嘆いて野村監督が漏らした言葉(選手達のプレイに対して『幼稚園並みや』)を受けての記事だ。
在阪のスポーツ紙は皆、阪神贔屓だのにエライ大胆な事を書く記者が現れ出したものだ。
恐れ入りました。
野村監督の首もそろそろ危ういでんなあ。
この4、5日、今年前半の疲れが一挙に出た感じで全然勉強になりません。
今日も、紋付袴等の着物類を陰干しにして夏冬物の衣類の入れ替えをしたら、それで日が暮れました。
明日からマジで『勧進帳』の演奏テープを聞きなおし、本読みをして30日からの十九大夫兄のお稽古に備えんことには、取り返しのつかん事になりまっせ。
ものごっつう焦ってまんねんやわ。

芝居のこと、ナーンも考えへん日

全休日。
一日中家にいました。
珍しいことです。
片付けことをしたり、礼状を書いたり、クーラーのフィルターを掃除したり、なんやかんやで一日がアッと云う間でした。
芝居のこと、なーんも考えない時も必要でんなあ。
以前に肝炎で二ヵ月程入院した時、何もせず病室でタダ、ボーッとしてました。
苦になるどころか、解放感のようなものを覚え、『病院』の内的環境に好奇心がくすぐられっぱなしでした。
退院後の社会復帰の不安の滝壷に、ジワリジワリと落ち込もうとしていたのに、あの時の、得難い自由を一瞬手に入れたような解放感は、忘れられまへんわ。