テープ学習だけではあきまへんなあ。

十九大夫兄による『弁慶』のお稽古初日。
実際、兄の前に座り、口写しの『叩きの稽古』(三味線なしの大夫同士の稽古)ともなるとテープで聞かせていただいてるイメージと全然ちゃいまんなあ。
足腰立たん位、十九兄の三段目語り(時代物の豪快な部分で出色の語りを見せる大夫のこと)としての迫力を浴びせられました。
それも、中音(ちゅうおん=ホンマのイキを出さない語り)でっせ! ハラ(腹)にかかった立詞(たてことば=アグレッシブにたたみ掛けるようにして語るコトバ)のサラッとした強弱のテンポ。
弁慶が義経のお供の武士達を諌める時に発する大音声『アアア~、しばし~』のくだり、腹をポンプみたいに小刻みに使い、小音から大音へと、クレッシェンドにかけてゆく手法は、圧巻でした。