『湯豆腐やいのちの果ての薄あかり』(久保田万太郎)

丸太町の越路師匠宅に今回の受賞の報告に、家内と行った。
近くの和風レストランでおいしいディナーにあずかった。
その時、奥様の口から出たのが表題の一句。
湯豆腐ってひとりでは食べられないわよ。
とのこと。
しばし、句のもたらす幽玄な気配に痺れた。
さて舞台の方、雪姫のクドキのところ、寛治兄が実に気持ちよくのせて下さる。
天にも昇る心地である。
あの、三味線の柔らかい自然なタッチは一体何だろう。