ある一ファンよりのメール。水落潔氏「新聞劇評の意味と限界」

先日図書館でたまたま見たある研究誌に、水落潔氏が、批評する側の「覚悟」について書いてられました。
面白いので送らせていただきます。
→《戦後の関西の新聞の劇評(とくに歌舞伎)は凄まじいものであった。
今の歌舞伎はなってないというのが共通認識で、故人の名優に比較して難をつける・・大向こうも同様で「ダイコン」という罵声が飛ぶこともまれではなかった・・戦後の荒々しい気分が残っていたせいもあるが・・俳優が気の毒になったこともしばしば・・私は関西歌舞伎の急速な滅亡の理由のひとつに、罵声に満ちた新聞劇評があったように思う・・このことが演劇記者になってからも常に私の頭の隅にあった》。
有吉佐和子が水落氏に「できるだけ褒める評を書きなさい、叱って成長する人は十人に一人よ」とも言っていたそうである。
 『歌舞伎-研究と批評20/1997』の特集2「歌舞伎劇評の今日」より。