6月文楽鑑賞教室の『封印切の段』の稽古スタート

近松門左衛門作『冥途の飛脚』の『封印切の段』は1時間もの長丁場だ。
今度の三味線は清介君だ。
今日はその稽古の初日だった。
さすが、清介君、毎公演のように《切場》を弾いているだけのことはあり、隣りに座っていても磐石の気配が匂う。
腰がどっしりして、弾く《間》に狂いがない。
いつものことだが、稽古初日は、《超》落ち込む。
言葉の段取りがつかず節もウロ覚えで、蚊の鳴くような声しか出ない。
しかし、丁寧にアドバイスしてくれた(彼は4、5年前に同じ役を嶋大夫兄と勤めている)。
次の稽古は明後日だ。
ホンマにこんな大曲を、お客さんの前で語るのか…まだ作品の実体が掴めず、他人事のようだ。
心配だ。
まさに『外の工面、内の首尾、心は蜘蛛手かぐ縄や、十文色も出てくるは、南無三宝…』(冥途の飛脚・淡路町の段)の忠兵衛の心境ですワ。
明日は、越路大夫師匠宅で、東京5月公演(曽根崎心中・生玉の段)のお稽古だ。
又、芝居が近ずいてきました。