小佐田定雄先生よりお便り!『方言というのは血がしゃべらせるもんや…』。『町内に種吉や義平次が…』。

 落語作家の小佐田定雄先生と熊沢あかね夫妻は、僕の義太夫教室の熱心な生徒さんです。
二人とも、浄瑠璃も結構いけるんでっせ!あかねさんなんか、簪(かんざし)さして見台の前で語らせたら、それこそ見事な娘義太夫です。
とにかく、勘がええ。
その小佐田定雄先生からのお便りです→ 《本日、家内と「夫婦チケット」で「夫婦善哉」を拝聴いたしました。
 お師匠はんの持ち場、言葉がほとんどで大変でんなあ。
 ことに、古典の大阪弁とちごうて、現代と地続きの大阪弁で語らないかんねやさかいネイティブの原大阪人にしかでけへん場やと思います。
捨て台詞のニュアンスなんぞはなんぼ練習してもできゃしまへん。
方言というのは血がしゃべらせるもんやと思います。
 天ぶら屋の前の風景は、われわれの子供時代にはまだ残ってました。
 私は大阪のビバリーヒルズと呼ばれている天下茶屋で育ったんですけど、万博前までは、まだあのままの風景が残っていました。
 また、子供のころのおじんやおばんは、種吉やお辰と同じような言葉を使っていました。
 万博までの大阪はきっちりと昔を残していましたが、これからはこの作品の中に残るようになるような気がします。
 お師匠はんの大阪弁、今の若手の落語家に聞かせてやりたいなあ。
 録画してはったさかい、放送があるんでしょうか? 今回の企画、客席の入りもいいし成功やったと思います。
「夫婦善哉」の次の、わかりやすい作品は何でしょうか?  第二部は7日(家内は9日)にうかがう予定。
 今度は古典の大坂弁を堪能させていただきます。
》。
 ← 先生からのメール、嬉しいでんなあ。
先生より少し(?)年上の僕なんか、住吉区は浜口町の育ちでっさかい、町内にはまるきり種吉・お辰の天ぷら屋夫婦がいてました。
『いかけや』のガキみたいに皆でおっさんをからこうてましたわ。
『帯屋』の悪婆や儀兵衛が近所にいたし、長衛門もお絹も繁斉もいました。
そやから、世話物の時なんか、それ思い出して語らせてもろてます。
今公演第二部『夏祭浪花鑑・長町裏の段』の義平次も、近所に住んでた極道じいさんをモデルにしてまんねん。
 《今回の企画、客席の入りもいいし成功やったと思います》←ホンマ、感謝します。