『幼子抱きおじ(老翁)うば(姥)はひと間へ・・・』

送り、といって場面と場面をつなぐ駅伝のタスキをわたす時のような緩む節。
酒屋の端場(ハバ)と切場を繋ぐ送りの節の文言(モンゴン)は、端場のサイゴ『幼子抱き、おじ(老翁)うば(姥)は、ひと間へ』から切場のマクラの『こそは入相(イリアイ)の鐘に散り行く花よりも・・』。
この、端場のサイゴ『幼子抱き、おじ、うばは、ひと間へ』を語っていると堪らなくなってきます。
伜半七のオサナゴイダキ、オジウバ・・。
切場の深い悲しみの予兆なんですわ。
この2、3日前からジン、ときて、胸詰まりッパナシ。
『鐘に散り行く花よりも』・・。
『くろがねの 秋の風鈴 鳴りにけり』(飯田蛇笏)。