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木石(ボクセキ)

目が覚めて、深夜の二時過ぎ(6月6日)・・今、用事で京都府の和知にいます。
山村といったイメージぴったりのところで、駅前の『角屋旅館』に客はボクひとりでんねん。
トイレに行くのも恐い位、しん、としています。
この地には郷土芸能として、人形浄瑠璃の『和知文楽』があり、春子大夫師匠(私の最初の師匠)からの関わりでボクはここへ昔からチョクチョク訪れます。
これからは鮎、冬は桜鍋(イノシシ)がおいしい所。
目前には《長老ヶ岳》の連峰が見渡せ、昼間でもあまり人を見かけない、シンプルな風景に溶けこむと、そこらの木石になり、感情を見失います。

チーボー(綾戸智絵)から、TELいただきました。

先日、東京公演の折、大阪のKさんから『綾戸智絵さんのコンサートへ行きますが、何か彼女に伝言することありますか』とのメールをいただき、『八介君の事を是非、伝えて下さい』と頼みました。
そしたら今日、チーボーからTELが入り『先日はKさんからエエ楽屋見舞いをもらい有り難う、ところで八っちゃん、アカンかったんやねえ・・私、なんかすることある?』と言うので、近々、八っちゃんの四十九日の会をする予定らしい旨伝えたところ、その時、花とメッセージを送らせていただきます、との返事が返ってきました。
当日、非常に印象的なメッセージが届くようです。
5月22日付けの日記のように、八っちやんは根っからのjazzファンでした。

賀茂川からの涼風を受けて…師匠のお稽古

なんとか、クリアしました。
枕から段切りまで、思いの他、丁寧に教えて下さいました。
『封印切』の芸の口伝はこうなんだよ、と言う熱意が伝わってきました。
細かい節とか音(おん)、コトバの高さ、速さ、強さ。
私の危うい部分は一緒に声を出して語って下さいました。
すぐ近くを流れる賀茂川からの涼風を受けてスムーズに運ばれた稽古でしたが、途中、梅川の忍び泣き『舌を切っても死にたいと、悶え伏したる苦しみを…』の所で、ナ、ナ、ナント右翼の街宣車が丸太町通りを通過し、部屋にもあの『君が代』の大音響がビンビン入ってきました。
ボクは音の調子を外しかけましたが、師匠が助けて下さり何事もなかったかのように事が運ばれました。
この浄瑠璃は、八右衛門と忠兵衛のコトバが最大のポイントですが、そこに来るまでの枕から禿(かむろ)の唄の20分位(お客様には、一番眠たい所)が、難解を極めるのです。
お稽古の後、『天下茶屋の土佐大夫師匠の封印切が良かった。
特に、八右衛門のコトバが耳に焼き付いている』と、おっしゃってました。
明日から、愈々、平行して、『勧進帳』の勉強を始めます。

絶対、トルシエを辞めさせんといて

明日はいよいよ、越路師匠の『封印切』のお稽古ですが、なんや訳わからん内に明日を迎えようとしてます。
今日は早(は)よ寝て、明朝の最後の本読み(太夫の自習)に備えます。
不安で胸が一杯。
お休みなさい。
…いやあ、サッカー、カメルーンに勝ちました。
去年、トルシエ監督の首が危なかった時、ボクは出身高校のあるパーテイ(三番叟で出演)で、丁度いらした、先輩に当たるサッカー協会会長の岡野俊一郎氏に『絶対、トルシエを辞めさせんといて下さい』と、直訴したのです。
良かった。
岡野氏は『トルシエは、なかなか情熱のある人です』と、言ってました。
親トルシエ派なんですワ、きっと。

感動するのは…

越路師匠のお宅へ東京公演の御礼挨拶に行きました。
貴大夫君と一緒でした。
11時過ぎに伺いましたが、行くなり『うまい弁当を注文したるから、食べていけ』。
さる料理屋からの迅速出前。
ホンマ、おいしかった。
どうも最近のヒットパターンらしい。
2、3日前に新橋演舞場へ島田章吾(95才)の一人芝居を御夫妻で見に行かれたとのこと。
子供のように、エライ、感激してはりました。
奥様のコトバ『もう人生で、感激すること等ないと思ってたけど、終わっても席から立ち上がれなかったわ』。
熱烈なカーテンコールの拍手の嵐に感激した師匠のコトバ『感動するのは実際その場に居合わす観客なんだ。
劇評なんかじゃないんだよ』。