お能鑑賞「無人無音」

僕自身が観客の立場になると、拍手はできない性分です(笑)。お能を鑑賞するとき、「無人無音」から始まり、「無人無音」で終わる、あの厳粛さに身も心も奪われます。但しそこで最後に拍手が起こり「無音」が取り消されますが、それはそれで喜ばれている方の感情の吐露だから一緒に楽しんでおります。

ここぞ拍手という宮城野のさわり

語りはじめのへんで、人形の和生さんの傾城宮城野が登場してきたら万雷の拍手があります。しかし、いちばんの見所聴きどころの、の場面では、あまり拍手はないのです。シーンとしてます。残念で仕方ありません。ま、しかし、私がお客さまの立場になるとやはり拍手はできない性分であります(笑)。

先代呂太夫(五代目)祥月命日

今日は先代豊竹呂太夫兄(五代目)の祥月命日。私の今あるのは呂太夫兄のおかげ大。細かく細かく芸の真髄を教えてくださいました。私の祖父若太夫を心酔していて、「雄ちゃん、おじいちゃんはなあ〜」こんなんやったで〜、と常に常に仰ってました。