庄野潤三「舞踏」&ボウカーの打撃。

巡業の移動日。
伊丹から新潟へ。
夕方5時には東急インに。
「須坂屋」で天ぷらそば食べて、「とん八」のカツ丼をテイクアウト。
テレビを見ながら、頼まれたエッセイ対象の庄野潤三「舞踏」(プールサイド小景より)を熟読。
ぼくがいままでの人生でいちばんしびれた小説である。
文楽の大夫を志した内弟子時代、住込みの窮屈さを紛らわす為だろうか、ひまがあれば小説を読み耽っていた。
はたちの頃だ。
ヘンリーミラーの「北回帰線」・「南回帰線」、高橋和己の「非の器」のあと、「舞踏」に遭遇した。
襖を隔てて師匠が寝ている。
気をつかいながらページをめくるうち、眠気が飛びはじめた。
一字一字がスローモーにぼくの身体にしみこんできた。
北の新地のママである師匠夫人が石段を鳴らして帰宅される頃には驚愕の身震いに包まれていた。
テレビの方は巨人・ヤクルト最終戦を観戦。
小川の力投に感動。
巨人の勝因は小川の低めのボールをライト前に落としたボウカー。
一点差に追い詰めたあの打撃がなければ小川は完投勝利をし、巨人は負けていたと思う。
今夜は11時には寝て、明朝の勉強に備えよう。