久しぶりに歌舞伎を観劇した。
文楽劇場の妹背山道行の舞台を終え、松竹座へ一目散。
『二つ玉』の終り際、8列通路側席にスンナリ着座。
『身売り』から『勘平切腹』まで、堪能。
歌舞伎もよろしゅおまんなあ。
凄いわ。
カッコエエ!主役の仁左衛門=勘平。
切迫の言葉、演技に感心した。
玉三郎=おかるの何気ない素振りやらの集中力にも脱帽。
その他、婆、一文字屋等の脇役から浄瑠璃の竹本に至るまで、皆、風情があった。
腰元おかるとうつつを抜かしている間に主人の塩冶判官が切腹。
あえなく浪人の身となり、おかるの実家に身を寄せる勘平。
ヒョンナ出来心で不法に入手した大金も仇討ち軍用金にしてもらえず、二人侍に詰め寄られ悶々。
おかるの身売り、親父の惨死、婆の嘆き、思い余っての誤確認切腹。
『二つ玉』から場面を覗いている観客は皆、刑事コロンボの犯人よろしく、すべて認知しているんやけど…あれよあれよと…美談形成への見事なあやち!。
古典力は凄まじい。