アランポーより百年前のアイデア

素浄瑠璃「市若初陣」12/10(日)@大槻能楽堂、12/15(金)@紀尾井小ホール
2時はじまり。少しずつ席が埋まってきてます。母親と子供(市若)が想定外の状況に追い込まれていく、息つく暇もないスリラー仕立て。作品の要は、「涙を忠義に思い変え」というヒロイン板額(はんがく)の詞。母親の板額が子故の闇から主従三世へ思考転換していく。その状況を北条政子が暗闇からあれよあれよとながめている。市若は将軍の子の身代わりとして切腹する。当時としてはたいへんな功名手柄。板額のひとり芝居なんか、アランポーより百年前のアイデア。並木宗輔の凄い作品です。