真実の愛を提示する近松

色男、金と力はなかりけるとは言え、忠兵衛は金も商才も教養も備えている立派な男。梅川は当時としては士農工商以下の存在の遊女という立場。その梅川を普通の人格として愛して、果ては一緒に死のうとする。お初徳兵衛もそう。人間の平等性、真実の愛を提示する近松には頭が下がります。