「平右衛門」の心境。

下手舞台裏の袖から本床の三人侍に向って、『やアれ、聊爾(リョウジ)なされまするな、憚りながら平右衛門め、それへ参ってたんだ一言(イチゴン)、申し上げたい儀がごわります。
暫く々、暫くお控え、下さりましょう~』と大音声(ダイオンジョウ)を発す。
それだけで頭の中がフラフラ真っ白。
ホンデカラ、下手袖ステージの別床へスタコラ歩いていく。
客席から見ていたらカッコいいのかもしれないが、このへんはたまらん心境。
もし、コトバにつまったら…頭が停電したら…舞台はパニック?…。
後半の本床では、『おかる』との大団円の立言葉(タテコトバ)が、究極の死に物狂い。
余裕のなさを痛感する日々デアル。