これぞ《万雷》の拍手!

舞台3日目。
少し余裕が出てきた。
『呼ぶに、お初は走り寄り、ノウ徳さまか、どうしてぞ・・』の語りで、簑助兄が舞台に現れる。
拍手のコダマが重なり合い、デッカクなる。
ボクは20秒程口をパクパクしているだけ。
その少し前の語り『出茶屋の床に女の顔、初と知るより徳兵衛はそれと合点し・・』で、玉男師の登場。
万雷の拍手だ。
手を叩くという、身体による《待ってました》の意思表示が、会場にハジケ飛ぶ。
いつまでも続かない、今あるこの奇跡に、皆、感動しているのだ。
同じ時間、同じ場所で呼吸する演者、観客の心に『永遠』が、刻まれ、留まる。