ブレヒトの「三文オペラ」という芝居を恥ずかしながら12月に初めて拝見する。湯山玲子さんの乾坤一擲プロデュースだ。YouTubeで色んな動画を観ているうち、「そっくりではないか!?」と身震いしました〜
監獄につながれたマックザナイフ。檻のなかの彼氏の目の前で、えげつない大喧嘩を始めるルーシーとポリー。女子2人の嫉妬のデュエットがおもしろい。取っ組み合い、巴投げありの大立ち回り。待て待て、これはなんや?僕が今稽古し始めている、文楽の「嫗山姥(こもちやまんば)」にそっくりではないか?!
傾城(高級娼婦)の八重桐が『打掛ひらりと取って捨て、白無垢ひとつに引っしごき、脛(はぎ)もあらわにかけ來たり、私が膝にふうわりとん、と居かかって』と語れば、かたやルーシーとポリーは『綺麗な脚を見せてみなさい!あ、なんて大根足。私の脚を見なさい』『あら、大きなお尻だこと』と罵り合う。「三文オペラ」(1928年)はブレヒト、「嫗山姥」(1690年頃)は近松門左衛門。東西2人の鬼才による、赤裸々に嫉妬合戦を繰り広げる女たちのセリフの一つ一つが愛おしい。
