午前中、越路師匠宅で法要。この十年の、お稽古を振り返る。そのあと、新作文楽へ。

お稽古場の、越路師匠が座っていた場所が祭壇に。
遺影が飾られてあり、いつもお稽古で座る位置のへんに座ってお坊さんを待っていると、なんとも言えない、あの、稽古前の緊張感が蘇ってきた。
稽古前はいつも、これから先の人生の歩みが把握できなくなる程のパニック状態に陥ったモンデス。
師匠にお稽古をしていただく前に小松兄、嶋兄、呂兄のいずれかおひとりに10日程稽古してもらう。
兄弟子達も皆、師匠に稽古の教え方を探られるから、必死にお稽古して下さいました。
特にこの10年は、『合邦』『寺子屋』『本蔵下屋敷』『柳(三十三間堂棟木由来)』『袖萩祭文』『すし屋』『太功記十段目』『三段目』『酒屋』『勘平切腹』『新口村』『引窓』『壺坂』『鬼界が島』『封印切』『重の井子別れ』と、思いつくだけでも重要なお稽古を次々にしていただきました。
師匠の長命のお蔭であります。
昼から、『恋の陰陽師』へ。
ヨカッタ。
立派な『通し狂言』だ。
少し冗長なところを修正していけば、平成の名作になりうる。