越路師匠の本葬。夜、高野山の『声明(ショウミョウ)』(HEP HALL)。

いい天気でした。
絶景の法然院の本堂に、師匠の普段着のスマイル写真。
平日にもかかわらず、遠方から大勢の参列者。
引退されて14年。
皆、正味の哀悼の念を抱いての列席で、5年ぶりの人、20年ぶりのひと。
何百もの会釈を重ねるうち、心身から『時間』が消え去りました。
悲しいとかは根底にあるのだけれど、全然別の感情も働き、一年分の情念を消費した感じ。
親の代から文楽の大道具を運搬している満仲運送の満仲兄と目が合った時、何故か、涙がこみ上げてきました。
ケッタイナもんでんなあ。
夜、伴野久美子さん企画の『声明』を聴きに行く。
20人程の現役の高野山のお坊さん達。
効率的な仏教版ゴスペル『布教活動』だ。
正面からの鑑賞は実に重々しいものがある。
しかし、疲れていたし、まあ、ひと通り観て帰ろ、という気持ちでした。
ところが、最後の正装僧衣の群舞のような大団円(フィナーレ)に、とりわけ最終ソロをつとめた僧の朗誦に、全身総毛立つ。
凄い声。
個と集団との呼応朗誦が数回繰り返される…立ち見の場所もない程の盛況だった。