桂文枝さんの「抜け雀」

7/16@なんば花月、桂文枝さんの「抜け雀」を聴いた。

古典のピンポイントのくすぐりをワイドに拡げる。額縁に収まっていた咄しが幾重もの笑いのレーザーになって翔んでくる。

サゲの「いかに知らぬと云うとても現在親に駕籠かかせ…」を義太夫を交え(節が意外に正確!)、ひとひねり膨らませたのには唸らせられた。この大当たりの裏には並々ならぬ精進の積み重ねがあるのだろう。文枝さんにとり、「古典」は今後の大きな宝庫になると思う。

トリの前の春風亭小朝さんの「男の花道」も秀逸。5月の明治座で猿之助と中車の同じ演目を観てるから、身じろぎせず聴かせていただいた。