NHK教育テレビの金曜フォーラム『伝統文化を考える』より

山崎正和氏(劇作家・評論家)がホンマええことゆうてはります。
→文明が『楽譜を読める』ということだとすれば、『ピアノを弾ける』というのが文化だ。
両者はまったく別のものだが、つながってはいる。
文化から文明は生まれる。
しかし、文明を先にもってきて、文化を引き戻すことも可能である。
日本の多くの西洋音楽の演奏家がヨーロッパで活躍しているのがいい例だ。
…。
文化財『保護』とか『保存』とかいうコトバには若干抵抗もあるが、現代文化であれ伝統文化であれ、『文化』というものが何らかのパトロン(援助)なしに生きた歴史は一度も無い。
ギリシャ彫刻や演劇、中世の西洋音楽などはみな国家や王様やキリスト教会による保護、支出で成り立ってきた。
『文化』というのは、マーケットメカニズムで生きていけるものではないのだ。
現在でも西洋先進国は文化に相当なお金を出している。
(続く)