博多座で「引窓」

12月4日から16日まで国立小劇場の文楽鑑賞教室で「寺子屋」を一段語った。
丸一段語ると、体力精神力が尽きる。
しかし、何を語ってもとんでくるダメ出しが、今回、住大夫兄からは不思議になかった。
嶋大夫兄からは逆に励まされた。
このひとときの平安があったからこそ、寺子屋一段語りながらの、博多座「引窓」とお正月公演「猿廻しの段奥」の同時稽古が支えられたのだと思う。
「引窓」に関しては10年以前、初役の折、越路師匠に「ワシ、お前から盗みたいところある」と言われた。
既に引退されていた師匠からの言葉に感動した。
それを心の拠り所として「引窓」の稽古に励んだ。
寺子屋、引窓、猿廻し、すべて三味線でリードしてくれたのは清介さんだ。