30年ほど前から細く長く文楽をごらんになっているかたからメールをいただき、今回、「曽根崎心中」にこれないからせめてHPの日記に書いてくださいとのこと。
日記、見てくださっているのか!と嬉しくなりました。
いまの持ち場「生玉社前の段」はかなりの回数勤めさせてもらっている。
海外公演と言えば「曽根崎心中」。
去年、モスクワで10日間ほど語ったが、ニューヨーク・ロス・SF・ボストン・メキシコ各地・サンパウロ・リオ・台北・ハワイ4島…思い出すと切りがない。
「天満屋」も勤めたし、「道行」のお初、徳兵衛、ナンマイダ~もすべて経験した。
国立劇場でもこれで三回目?くらいか。
7、8年前の簑助兄復帰公演での文楽史上初(日本国内)のカーテンコールの時も語っていた。
人形の吉田玉輝さんも国立劇場では三回目の九平次役になる。
その彼とこないだ、役前に舞台裏で立ち話をした。
今回、観客席から舞台に放射される熱視線がすごいなあ!と。
床がクルッと回った時から興味もたれている、期待されてる、と、強く感じる。
何回語っても「生玉」は難しい。
九平次の突っ込み、徳兵衛の死覚悟の述懐…なかなか勉強になる段である。
九平次が出てくるまでのお初と徳兵衛のやりとりがまた、やりにくい。
お客様の期待に応えようと、こちらも懸命だ。