早稲田で講義「和田合戦女舞鶴(ワダカッセンオンナマイヅル)」

早稲田大学内山美樹子教授に招かれて大学院の文学部で「和田合戦女舞鶴」についての講義をした。
去年2月に引き続いての二回目。
実はこのだしもの、内容に少し無理あるかな?と思っていたのだが、今回の講義中にわだかまりのモヤモヤが晴れた。
むしろその作品の内容と曲節に魅惑された。
頼朝亡きあとの鎌倉幕府、和田と北条の二大勢力の対立の渦に、武家の女房板額(ハンガク)が息子の市若(11歳)と共に巻き込まれていくというストーリー。
板額がひとり芝居をして幼い市若を切腹に至らせるくだりは圧巻。
祖父若大夫の録音テープ(昭和40年於朝日座76歳)を聴きながらその感想と意見を述べさせていただいたが、熱が入り二時間半あまり、あっという間に経過した。
恣意的に仕組まれた政争のなかに何も明かされてない母と息子が放り込まれ、己が立場と取るべき行動を瞬間瞬間に互いに判断し進行する仕組み。
得難い精神的スリラーを味わわせられました。