竹本貴大夫さんの命日。

去年の今日、貴さんは亡くなった。
貴さんのことは先月まで月一回一年連載した東京新聞エッセイの中で二度触れましたからご覧くださいませ(HPに掲載)。
繰り返しになりますが、彼の存在がなかったら今の私の立場はなかったでしょう。
彼のおかげで四年間の内弟子修行に耐えられたのです。
彼が入門したのは…あれはもう38年前。
人生、あっという間。
しかし、あの頃の思い出がいまでも強烈によみがえってくる。
言葉数の極めて少ないひとでした。
一緒に内弟子しててもコミュニケーションがとりにくかった。
「君が後輩だから、君から話しかけてこいよ~」、となんど言ったことか。
茨城大学の独文科卒。
よく、ドイツ語で一人ごとを言ってたなあ。
早生まれの彼はひとつ年下だったが学年は同じ。
越路師匠とは別の部屋で夕食をいただきながら、テレビ(ドリフターズの馬鹿馬鹿しいコントなど)見ながらゲラゲラ笑ったなあ。
目の前に箕面川が流れていた。
夏になると嗅いだあの独特な草の匂い…。
ちいさいムカデや蛇もチョロチョロしてました。
よく通ったあの銭湯、まだあるかなあ。
あの風呂屋のおっちゃん…もうこの世にいないやろなあ。
貴さん、ほんま、ありがとうございました。
天国から見守っててな!