柳家さん喬の「寝床」と「たちきり」を聴く

「寝床」、よろしおました。
こちらのスタイルもまた結構。
特に始めのうちは抱腹絶倒。
ただ、「寝床」の真骨頂は一旦怒った旦那が機嫌を取り戻していく過程にあると思う僕には、そのくだり、サラサラしていて少し残念でした。
浄瑠璃を聴きにせっかく現れた近所のひとを旦那の断れのひとことであっさり帰そうとする番頭を旦那が呼び止めようとする演出には反対。
三味線のおっ師匠はんの居場所が逆でしたなあ。
あれ関西でも逆にふりするひといます。
それから「たちきり」。
さん喬風に仕立て、しっとりまとまっていてオチも余裕ありファンにはたまらない。
夜の部の演芸場としては上々の入り。
しかし、上方のものをよく聴いてる僕にはなんか頼りない部分も。
若旦那が座敷へ乗り込んでいくまでの演出、蔵から出てお茶屋に駆け付けるまでのやりとり…説き明かしのバランスが少しチグハグで隠れた人間の「業」が眼前に浮かんでこない。
~ と、いろいろ言いますが、僕はさん喬さんが好きなんです。
欠点があるとしたら、その欠点も好きなんです。
しかし、明日の「柳田格之進」には欠点がありません。
さん喬さんの誰にも譲れない、真似できない世界がある。
明日、昼夜の出番を縫って、聴きにまいります。