10/16『ゴスペル・イン・文楽』(札幌)を観て。感想アップ!

こんな嬉しい感想はありません。
桃和香さんという方の文章です。
ご本人の許可を得て掲載させていただきます。
→《金魚ちゃんとふたりで、文楽を見に行って来ました。
 金魚さんもわたしも、文楽は初体験。
偶然手にしたチラシで、とある教会で「ゴスペル文楽」という催しがあるのを知り、行ってみることにしました。
 ゴスペル文楽とは、クリスチャンの大夫さんである豊竹英大夫さんがされている、聖書のお話やイエスキリストの生涯を、人形浄瑠璃にしたもので、今回は大夫さんが、豊竹英大夫さんと豊竹呂茂大夫さん、お三味線が鶴澤清友さん、人形が桐竹紋寿さんとお弟子さん3人で演じられました。
 はじめに、浄瑠璃・お三味線・人形それぞれの演者によって、解説がありました。
これが、とっても興味深く面白く聞くことができました。
 何せ、初めてなので、浄瑠璃の声の出し方や、太棹三味線の実演をいれての解説(皮は地唄と同じように、表ネコ裏犬を使ってらっしゃるそう)も、なるほどーとうなずくことばかりで、なかでもお人形の解説が非常によかったです。
 お人形の解説をした桐竹紋寿さんは、ベテランで、このように解説をきけたりするのは、とてもラッキーだそうです。
でも、ひょうひょうとした中に、関西のひとらしく、しょっちゅう面白いことを言って、笑わせながら、お人形が頭だけしかなくて、型や銅はただのわっかに手を入れて操作していることや、ふたりで操作するので、手を合わせるという動作一つが、呼吸があわないと、とてもへんちくりんになることや、人形の目線の大切さ、また、お客さんはお人形を見ているので、人形遣いはやたらと動かずに目立たぬように、操作しなくてはいけないことなど、いちいち、感心し納得しながら見ていました。
 それから、「艶容女舞衣」の酒屋の段のさわりをやって(「今ごろは半七っつあん、どこにどうしてござろうぞ」で有名な)お園の美しさに見惚れ、その後、英大夫さんが、「ゴスペル文楽」をやるようになった経緯や、自分とキリスト教の関わりなどをお話になりました。
 それから、メインイベントの「ゴスペル文楽 イエス・キリストの生涯」です。
 文楽の演目としては、非常に珍しいもので、異色なのかもしれませんが、わたしたちは、引き込まれて見ていました。
 お話は、聖書に基づいたキリストの生涯なんだけれど、それをまさに和風の人形浄瑠璃で演じていても、意外なほど違和感がなくて、ペテロが臆病風に吹かれて、師イエスのことを「知らぬ存ぜぬ」と言ったあとで、師の言葉を思い出して、後悔に身を裂かれるような思いをする場面とかは、浄瑠璃の熱い語りが、こちらの胸にぐぐーっと響いてきました。
はじめての文楽は、とっても楽しめました。
 ただ、イエスキリストのお話だけに、日本髪を結った娘さんの美しい着物姿とかが楽しめず、イエス・キリストのお衣装はボロ雑巾みたいだったけれど…。
文楽の和の美のほうは、来月、国立文楽劇場で楽しむ予定です。
》←桃和香さん、本当にありがとうございます。
こういう感想が与えられ、感謝感激しております。
国立文楽劇場にいらしたら必ずお友達と楽屋においでくださいませ。