NHKFMで『寺子屋』放送。桂川さんと壷田さんから感想お便り。

お便り感謝します。
まず桂川あかねさんより→《英大夫さんの寺子屋 午前11時より50分間、FMの邦楽百番で豊竹英大夫さんと鶴澤清友さんの演奏による「寺子屋の段」、「首実検~いろは送り」までが放送されました。
以前、舞台で勤められた時は首実検の後からでしたので、初めて英大夫さんの「首実検」が聴けると楽しみでした。
寺子たちを首実検するチャリ場から入り、次第に菅秀才へと焦点が絞られると、緊張が一気に高まります。
源蔵、戸浪、松王丸、それぞれが偽装工作を見破られまいと必死の駆け引き、嘘と本音が交差して絶体絶命のクライマックスに。
松王の「紛ひなし、相違なし」の宣言の裏に父親の悲痛な叫びを聞き取りました。
全体に伸びのある声でたっぷりと語っていらして、哀切極まりない「いろは送り」も結構でした。
この複雑な心理劇を説得力を持って語る途方もないエネルギーを考えると、義太夫節はつくづく恐ろしい芸だと感嘆せずにはいられません。
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壷田典子さんより→《NHKラジオ拝聴しました。
前半部分の最後の松王丸の詞、「いかさま、閑どっては咎めもいかが。
拙者はこれよりお暇賜わり、病気療養致したし」、ここはサラリと語って後半に繋げるイメージがあったのですが、英大夫さんの語りでは「病にありながら大役を果たした疲れに見せかけた松王丸の深い悲しみと虚脱感」がにじみ出ていて思わずホロリと来てしまいました。
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