「歴史的名演」

昨日の日記を読んだ桂川あかねさんからお便りがありました→《7/2付日記の豊竹山城少掾と竹澤弥七師のCD『太十』・・「調子が高い」と団七さんが御指摘された事にハッと気がつきました。
先日、NPO法人人形浄瑠璃 文楽座から送られてきた「文楽通信」の中の-義太夫CD評-に同じ指摘があったのです。
評を書かれているのは東京文化財研究所の飯島満氏という方で、まず『太十』の演奏は「昭和26年十月四ツ橋文楽座の実況録音である」と断られて、CDケース裏とブックレットの日付が「8月22日」となっているのは誤りであると指摘されています。
そして「演奏は、山城少掾の声に慣れ親しんできた者であれば、再生ピッチが高い様な印象を持つに違いない。
ピッチコントロール機能を搭載したCDプレーヤーが手近にあるのならば、試しにピッチを落として聞いてみるのがよいと思う。
声が甲高いような印象が、機材や録音条件の違いに起因するものでないことがよく分るだろう」と書いておられます。
要するに、CD制作の際に原音のピッチの高さまで気配りしなかったという事なのでしょうか。
さすがに団七さんはスロー目にして初めて「師匠の音や!」と三味線の調子で聞き分けられていますね。
しかし知らない人が聞けば、「これが歴史的名演か」と、思ってしまう。
これは困った事です。
今回、他に山城少掾の「山の段」と「葛の葉」がCD化されたそうですが、飯島氏はその歴史的名演が商品化され、誰でも容易に聴けるようになった意義を評価しながら、「だからこそ初心者でも戸惑わないよう、制作者側には録音データの記載等々を含め、もう少し丁寧な仕事を望みたいと思う」と厳しい指摘をされています。
以前発売された山城少掾や越路大夫の全集にも素人でもおかしいと分る間違いがありました。
本当に貴重な記録に対して、丁寧な仕事を望みたいものです。
》←すぐにこんな反応が返ってくるところが、コワイ!…NPO法人人形浄瑠璃文楽座から送られてきた「文楽通信」の中の-義太夫CD評-に同じ指摘があった…僕は見落としてました。
恐れ入りました。
m(__)m。