『瓜献上の段』咲大夫兄お稽古。and、昨日の鳴門感慨。

咲大夫兄に熱心なお稽古をしていただいた。
この場の百姓長兵衛こと四王天は太十の光秀で語っていい、とのこと。
こういう口伝がありがたい。
二回繰り返していただき、浴衣が汗びっしょり。
当然のことながら、清友さんと二人だけの勝手稽古とえらい違い。
それから、昨日の素浄瑠璃について。
僕は(舞台に携わるもの皆、そうやと思いますが)自分の語りが良かった、なんて思ったことありません。
恥ずかしいて恥ずかしいて。
昨日でも、始めのうち声がひっかかって、どないなるんや、思いました。
こんなんで行く先、太夫やっていけるのか?なんて思いながら。
おつるの可愛い声出てないやんか、お弓の声、もっと綺麗に出さないとあかんがな…。
最後まで語りきれるかいな?などなどマイナス要素に押し潰されて。
で、もうええわ。
義大夫は声違うんや。
感情の吐露や、思て。
ハラにかけて精一杯語りました。
すると、いままでにない、阿波の鳴門の作品の全景、構成が見えてきた。
この浄瑠璃は太十を一段かたるのに匹敵するくらいエライだしもの。
いつもフラフラになるだけ。
それが、奥になるほどに、二重三重四重に感情吐露の激しい曲節やら詞が畳み込まれてくる。
これ、いったい、なんや。