岡本綺堂「近松半二の死」(昭和三年十月「文藝春秋」)。

何気なく、お便りコーナーに寄せられた桂川あかねさんからの文章を再読しているうち、クリックしたら、岡本綺堂による「近松半二の死」(昭和三年十月「文藝春秋」)という短編戯曲が出てきた。
これ、堪らんくらい面白い!さすが桂川さん。
半二…59歳!。
操り人形芝居は歌舞伎人気に押されて衰退低迷、竹本座も困窮…そんな中で、どうしても半二の新作を!と懇願する周囲の期待が膨らむ…命を賭けて『岡崎』までは下書きは完成…岡崎は手応えある場面との自負。
もう失敗できない崖っぷち。
幕が開くまで作者も演奏者も座元も命懸け。
一見しんみりした山科の早春。
しかし底流には命を懸けたぴりぴりした空気が張り詰める。
離れの座敷で染大夫が作曲したての『沼津』を語っている…半二は沈み込む様に息を引き取る。
綺堂の創作めいてはいるが、戯作者同志の共感もあるようだ。
真実なんやと思う。
そして、半二の協力者近松加作なるものの存在。
『岡崎』語る上で、心に留めておくべき事柄。
皆様、ぜひ、クリックして全文(短編)をお読みくださいませ。
たまりまへんでえ~。