吉田作十郎兄永眠(85歳)。松竹座夜の部に行く。

滋賀県安土町での葬儀に出席した。
 作十郎兄にはホンマ、お世話になった。
舞台(芸)のことも率直な意見をゆうてくれはった。
雄ちゃん、ここ気イつけや。
ここええで、と。
大先輩やのに気安く声をかけてくれはった。
 カラオケも大好きで東京公演や地方巡業の折には、よう連れていってもろた。
伊達兄、故小松兄、故一暢兄、鳴物の太明勝さんらと。
名越さん(床山)、故菱田さん(人形師)ともよく一緒になった。
 お見送りしたあと、関係者に思いがけず、残り花を手渡された。
百合や菊…きれいに咲いてます。
 作十郎兄さんやと思て、家に飾って偲ばせていただいてます。
今頃、天国でホット、されてることでしょう。
 夕方、御影さんのお招きで松竹座歌舞伎の夜の部に行った。
 ロビーでまる猫さんこと、圓尾さんにお会いしてビ、ビックリしたかと思えば、前の席に座ったのがナント、川口先生と山科さん!。
 休憩時のロビーでは毎日の宮辻さんや日経の田村さんにもお会いした。
 『一条大蔵譚』、仁左衛門さん、さすがや。
キッチリ、こなしはるわ。
愛之助さんもいい。
『達者』を自然に削ることが今後の課題か。
 『京鹿子娘道成寺』、新藤十郎の山城屋!。
何回も衣装を引き抜きつつ踊る長唄舞踊の大曲。
乱拍子、急の舞、手踊、花笠踊り、クドキ、鞨鼓、鈴太鼓…。
昭和6年生まれの74歳。
昼の部では団七を勤め上げ、夜の部に、この至難の業を毎日真剣勝負!!。
身震いを禁じえない。
壱太郎君も大きな役者になりそうな予感。
 それから『魚屋宗五郎』、菊五郎さん、力演や。
脇の下、ビッショリ汗。
着物に滲みでてる。
泣き笑い、感激した。
《召使おなぎ》の孝太郎さんもハマっていた。
それにしても、右之助さん、あの役だけではもったいないなあ。
昼の部も行く予定。
楽しみだ。