開高健のエッセイ。『どこかにたくさんの読者がいる』。

開高健のエッセイ集『ALL MY TOMORROWS』(1970~1981)の中の、ある対談。
文学賞の在り方などについての氏の意見→《ほんとうに読んでなにかを感じて、それから審査をしていただきたい、審査員諸氏は。
読んでこないで賞を出している審査評というのがいっぱいあるのでね、一見してこれはわかる。
…ベンダサンの『日本人とユダヤ人』という本なんか、ああいうむずかしい、セックス・アピールのない本がですよ、ろくな宣伝もしないのにどんどんどんどん売れているでしょう。
だからどこかにたくさんの読者がいてね、餓えている状態にあるということはいえるのですよ。
…いまほんとうに真剣になって作品読んでいるのは編集者だと思う。
この人たちはメチエだからね。
だから、この人たちだけを審査員にしたらいいと思う…》。
なるほど至言。
氏のエッセイはオモろすぎて困る。
今日、ファインさんが楽屋を覗いてくださったが、稽古で不在だった。
申し訳ありません。
落語CD、聴かせてもろてまっせ!