日向の琵琶盲僧『永田法順の世界』(於・大阪倶楽部18時時半~)。

とにかく、魂消た。
宮崎県延岡市にある天台宗『浄満寺』の15世住職の永田法順師(71才)。
琵琶を肩に、日向地方に点在する約970軒の檀家一軒一軒を五穀豊穣・家内安全等を祈願しつつ、現在日常的に廻っているただ一人の僧である。
釈文『神名帳』(日本全国の神々の名を呼んで、法要の場に勧請する)と釈文『釈迦の段』(地神が須弥山の麓に釈迦埋葬の地を与えた経緯)の全曲演奏。
それぞれ1時間ほどの休みなしの実演。
たしか8年前にも主催者の中山一郎大阪芸大教授のご縁で聴かせていただいたことがあったが、今夜はその時以上に感動した。
魂消た。
満員の為、左横側からの鑑賞になったが、それが幸いした。
背筋がビシッと決まっているのが見てとれた。
奏演中、微動だにしない。
ぶれない。
撥遣いも左手の指遣いも磐石。
それよりなにより、語りに舌を巻いた!声も安定しているが、息も、驚くほど長いのだ。
8年前にも感じたことだが、今回は突出して長い息遣いの部分が3箇所あり、聴きながら一緒に静かに息を吐いていて、おおおおっと、感じ入ってしまった。
ちょうど、僕の席の近くにスイス人琵琶演奏家のギニアールさんがいらっしゃり、帰り道に少し話をしたが、彼も法順師の息の長さに驚いていて、数えたら36ビートありましたよ!と、興奮されていた。
生まれつきの天才が、幼少時の失明と厳しい修行を経たことにより、奇跡的にドカンと『今』、存在しているのだ。