河合隼雄長官の《舞踏の源流・文楽》エッセイ!文化庁HP11月号より。

以下転載させていただきます→《『存在の源』…非常に興味深い公演を観た。
『舞踏の源流文楽』と題して,日本の伝統芸能である文楽と,国際的に評価されている日本の現代の「舞踏」とのコラボレーションが9月26日、東京ミュージックカレッジのライブホールにおいて行われた。
すべての演目が興味深かったが、特に感心したのは、文楽の人形遣いの人たちが人形なしで舞台上で演技する場面であった。
三人の人形遣いが人形を持たずに,人形を演技させているように動く。
見ていると何だか現代舞踊を見ているようにさえ感じる。
「おどり」は体のみではなく心もおどるし,人間の生命力の源である。
こんな公演を見ると、人間は人生劇場で演技しているつもりでも,ほんとうは普通は目に見えない深いはたらきによって,その存在を支えられているのではないかと思う。
まさに人間存在の源に触れる感じで深く感動した。
このような公演をぜひ外国でもしていただきたいものである。