与兵衛考

与兵衛の性格が根っからの悪人で、単に粗暴な男だけやったら芝居にならないと思う。
人間皆、アンビバレンス(ambivalence)!近松の新しさは、登場人物を単に画一的に(悪者は悪者、善人は善人みたいに)描いてないことに尽きる。
芝居の構成に、人間模様の真理であるアンビバレンス(相反する性格の共存)を活用しているところが凄い!。
だって(東京弁?)、僕は、毎晩、近松の文章をカラダにジカにかんじて語ってるんやから…。
それにしても徳安堤の出だしの唄、《船は新造(若い遊女)ののり心…しっとんしっとんしっとんとん…》っちゅうのは…ウーン~。