能『隅田川』を観る(宝生能楽堂)。YKさんのお便り。

シテの狂女の大槻文蔵師、よろしおました。
ケレン味のない透き通った声が、我が子を探し求めて狂乱した母親を、よく描出していた。
子方の梅若丸(幻)を演じた小早川康充ちゃんもたいしたもんだ。
1時間もの間、柳の木の下の塚を模した作り物の中にじっとして、最後の念仏のシーンで登場する。
白装束に茫々とした黒頭という出立ち。
追いすがる母の腕の下をスルリとかわして、茫然とする母を残して、又、塚の中に消えて行く…。
YK樣→《近江源氏っていつもよく分からなくてボンヤリ観ていたのですが、今回初めて床本読んでいったおかげで非常に楽しめ、面白い作品であることを知りマシタ》