粋人の阪本晃二さん

昨夜芝居がはねて楽屋のエレベーターで三味線の寛治兄と一緒になった時、『だいぶ慣れてきましたなあ』と笑顔で仰って下さいました。
いやいや、まだドキドキして落ち着きません、と答えたら、『そやな、自在に楽しんで語れるようにならんとなあ』と言われました。
兄が実際、床で隣りに座って下さり、ひとバチ三味線を『(ハッ)てーん』と弾いて下さると先代の寛治師匠から脈々と流れる息吹きが肌に伝わってまいります。
恐ろしいもんです。
ところで、阪本さん。
天神祭の昨夜、文楽の『夏祭』にいらっしゃいました。
5、6年前から見事文楽にハマッてしまわれ、南座にも旅館をとって二日間通い、この夏公演は夜の部だけでも6回お見えになります。
おとなしそうでいて結構、山っ気もあり、バリバリの『トラキチ(阪神ファン)』でもあり、上方落語にも精通しているがけっして理屈っぽくなく、相撲の大阪場所は欠かさず桟敷で見、カラオケを歌わしたら軍歌やら昔はやった曲は皆、歌詞を見ないで歌う、美人の奥さんと三人の子宝に恵まれた40過ぎの嫌味のない腕利きの建築屋さんです。
昨晩は劇場を出てから、八幡筋の焼肉屋で彼の連れ4人と一緒に、ご馳走にあずかりました。