高慢、謙虚。

平右衛門みたいな大役を勤めさせてもらっていると、日頃、いかに自分が高慢になっているか、芸に対する謙虚さを欠いているかがわかる。
越路師の平右衛門テープ、凄い!僕より若い時のテープだ。
較べること自体、既に高慢。
僕が入門したての頃、相生翁(先代相生大夫師)が楽屋にお手伝いに行くたびに仰っていた言葉。
『天狗は芸の行き止まり。
天狗は芸の行き止まり、だよ』と上品な東京弁(師は東京出身だった)で繰り返されていた。
師の朝日座での『新口村』は、いまだに脳裏に焼き付いている。
涙が止まらないっちゅう感じだった。
最後の最期、語る主体は人格なんや。