久しぶりに父親と

最近、K氏が僕の芸歴やら物の考え方に関心を持ちはじめ、先日、少し話をした。
話の成り行きで、今夜はボクの父親とK氏と三人で会うことに。
こんなことでもなけりゃ、父にはもう一生会わなかったかも。
寝屋川駅前商店街の寿司屋。
若大夫の次男である父親は二日前に88才になったばかり。
少し年をとったかなあ。
早稲田でラグビーをしていたから足腰は達者だが。
オヤッサン(僕の父に対する呼び名)は開口一番、K氏に『ワシは三人の嫁さんを亡くしてマンネン』と言った。
最初の妻はボクの生みの母。
母はボクを生んでスグ病死。
二度目の妻は戦死した兄(若大夫の長男)の嫁。
即ちボクの育ての母。
この静枝母がとてもよくできた母で、20才過ぎての内弟子時代、春子大夫師の奥さんに『雄ちゃん(僕の名前)、勿論知ってんねんやろ』と話されるまでマジに実母だと思っていたのだから。
静枝母は若大夫に可愛がられ、後に養女として林家に迎えられることになる。
内弟子時代の越路師の詞→『静枝さんはおとなしくてええひとや。
観音さんみたいな人やなあ』。