『床世話さんをたずねて』からの引用→《…「義太夫節のハードさは、”音曲の司”と称されるほどで、床で倒れられて亡くなられる方もザラ、いかに真剣に全霊を込めているかの証、また足元がザラザラするのは祈りの浄め塩によるもの、舞台へおもむく方々の覚悟がひしひしと感じられ、身の引き締まる思いが致します。
」と廣瀬さん。
…間近に観ると実に大きなターンテーブルだ。
しきりの屏風は金銀の面にわかれており、基本的に切場で金になるよう逆算してある。
スムーズに演奏者を交替する事が出来るこの仕掛けの動力は、人力だ。
…「お願いいたします」「(幕が)開きました」「はっ」「はっ」と云う一閃の気合の元、張りつめた空気が光に向かってはじける。
相撲の立会いを思い起こさせた。
過不足なくピタリと止まる熟練の技。
「まだまだ文楽時間にして225ヶ月に過ぎません。
後何回廻せるかわかりませんが、その一廻一廻の良質な空間、静謐な時間を大事にしていきたいものですね」…》。
泰さん、なかなかいいことを言う。