長右衛門にとり皆、浮世の出来事

長右衛門をしょうむない男と片付けてしまえば身も蓋ない。長右衛門は帯屋に入る前に既に死を覚悟しているんや。帯屋の展開はうわのそら。おのれの犯した罪に対するディープな懺悔を抱えながら客観的に眺める繁斎やお絹の現実的真摯な健気さを眺めてるだけ。長右衛門にとり皆、浮世の出来事なのだ。そこが難儀でんねんやわ。